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坂の上の苦悶 〜野、丘、台のつく地名はやめておけ〜


 いくつかの投資ブロガーサイトで話題になっていた山下努著「不動産絶望未来 ―これからの住宅購入は時間地価で探せ!」を読みました。住宅・建設・不動産業界取材歴20年のアエラの記者がまとめた不動産購入指南本です。

 この書籍、郊外にマイホーム購入の決断をしたばかりの私の気持ちを逆撫でするような記述内容満載ではありましたが(笑)、超高齢化社会が到来する今後、日本の不動産事情がどのように変わっていくかを具体的にイメージする上で参考になる記述が多くあるように思いました。

以下、気になったフレーズをいくつか書き留めておきます。

埼玉大変千葉心配
団塊世代の集中居住で急激な高齢化が進む東京近郊県、大阪近郊県のベッドタウンは、自治体財政が急速に悪化し、介護難民が発生する可能性が大きい。

坂の上の苦悶(本日のタイトルです)
地名に野、丘、台がつく坂の上の新興住宅地は、高齢者にとって非常に住みづらく、今後すたれていく(坂の上の雲ならず、苦悶)。エレベーターのないマンションの高層階も同様の運命か。

逆ドーナツ化現象と時間価値優先思考
ブランドのある郊外よりもインフラの整った都心マンションがより好まれる傾向。東京西側のブランドバブルははじけ、近距離の東京東側、もしくは臨海部の利便性、割安度が今後より見直されることとなる。

クラウド住宅化
ファミリー世帯の減少と単身世帯の増加で広い家の需要は減少し、コンパクトマンションが優勢となる。近隣にスーパーやコンビニのある都会型マンションでは、大型冷蔵庫は必要なくなり、住宅のクラウド化が進む。

 分かりやすさを優先した見出しの多用、著者の主張を裏付けるために有名特定地域の取材事例をことさらに強調するなど、これでもかというジャーナリスティックな表現手法にややうんざりする部分もありましたが、書いてあることの6〜7割は自分の考えていたことに近く、同意せざるを得ませんでした。

 著者の主張では、もしマイホームを買うなら、東京都心からの距離が近くて、地価が相対的に割安な地域、例えば東京東側や臨海部(江東区、墨田区など)の駅近、中古物件が狙い目ということになっていました。確かに、職場と家の往復が中心となるビジネスマン・ウーマンにとっては、職住接近のこのエリアを選ぶのは合理的なのかもしれません。ただ、「純粋にこの場所に住みたいか?子供を育てるのに適した環境か?」などと考えると、私個人としては「???」となります。このあたりは個々人の価値観、優先順位の問題になるのでしょう。

 「家族が過ごす環境優先」で耐久消費財の購入と遠距離通勤の意思決定をした私と似たような境遇にある方にとって、この著者の意見は耳の痛い内容も多いかと思います。ただ、家の購入を真剣に検討されている方や不動産投資を始めようと思っている方にとって、不動産そのものを購入する前に一読の価値はあると思いましたので、ここで紹介しておきます。

 個人的には「自分が設定した制約条件の範囲内で、この本の中のアドバイスの利用できる部分は利用していく」というスタンスでいくことにします。私は、本業のスキルを磨くことによるサバイバル能力向上を最優先に考え、これを長期固定金利による資金調達、ローン減税による節税、資産運用の継続といったファイナンシャルスキルで補完しながら、家計の早期健全化を目指したいと思います。

| cpainvestor | 00:50 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
自分にとって分相応な耐久消費財とは、どの程度の金額なのか?


 旭化成ホームズが保有していた土地が思いのほか魅力的であったため、新築住宅購入の交渉を始めたわけですが、建築条件付きの土地であるが故に、当然相見積りはできないわけで、交渉戦術上こちらが打てる手は限られていました。それでも可能な限りこちらに有利な条件を引き出すため、あの手この手の知恵を絞って交渉しました。こういう時にネットの口コミ情報と日頃の実務で培った価格交渉経験は役に立ちます。

 まずはかなり詳細な間取りを固め、オプションである防音室や3階ロフト(完全な3階建ては不可だが、ロフトなら可という条件の引き出しに成功)など、とにかくフル装備にして目一杯の見積金額を出して、そこから値引き交渉を行いました。(契約後の追加変更契約時では、当初契約額が全ての基準となってしまうため、値引き交渉が難しくなります。)
 また、建築中、建築後のモニター契約引受、先方スケジュール都合での契約、着工容認、間取りの一部仕様変更等の条件で歩み寄り、ネットで書かれている程度の比率のディスカウントはとりあえず引き出しました。
 その上で、「これ以上価格で引けないなら、何かオプションをつけて欲しい」と要望して、交渉の過程で削ったオプション装備を一部復活させました。
 更に契約予定日前々日に、最後のひと押しで「貴社グループ内モーゲージ会社が提供するフラット35Sを使うので、土地の先行取得に伴うつなぎ融資を私が利用しなくて済むよう、手付金以外の代金決済を完成時一括にして欲しい」と要請し、これも呑んでもらいました。
 毎回詳細な議事録をとりながら進めた実際の交渉の過程では、ここには書けない紆余曲折も相当ありました。ただひとつ留意したのは、単純に「値引きしてくれ」と押すのではなく、「予算額に合うように、住宅設計・販売のプロとして、できる限り知恵を絞ってくれ」と言い続け、より多くの代替案を出してもらうようにしたことでしょうか。その上で、こちらも譲るべきところは譲って、ようやく合意に辿り着きました。さすがに老舗上場企業だけあって、営業担当者、設計担当者の対応は、誠実かつ的確でした。

 交渉により最終的に妥結した価格は、投資物件としての目線で見ると、とても購入できそうもない金額でした。(以前試算したような、賃貸+売却のシナリオを前提とするDCFモデルで収益還元価値をはじくと、どれだけ良いシナリオで見積もっても、30~40%程度は割高です。)
 まったくもって、新築プレミアムとヘーベルハウスのブランド料が高いわけですが、二晩熟慮の末、_椎修僻楼呂撚搬欧砲箸辰萄播な生活基盤を築くことを優先する、∈念の場合でも売却可能な好立地であり、売却した場合に借金が残らないだけの頭金がある、今回、持ち家購入のために借りる純有利子負債は、今の8掛けの収入でも20年以内に返済できる、という3点を根拠に、自分を納得させました。

 結局、新築で持ち家を購入するということは、投資家目線で見ると割高な部分を「耐久消費財としての価値」と捉えて、「それが自分にとって分相応な消費か否か」を胸に手を当てて考えるということに尽きるのではないでしょうか。これは、「今の自分に、新車のBMWに乗る資格があるか?」という問いとたいして変わらないとも言えるのかもしれません。
 それでも、定性的な魅力と勢いだけで決断するのではなく、割高な部分を定量的に把握し、自分の将来の生活設計を徹底的にシミュレーションして返済可能性を検討することは重要だと思いますし、不動産価格が低迷している時期に購入できるにこしたことはありません。
 
 今もほぼ毎週末、内装やインテリアの打ち合わせが続いています。その膨大な拘束時間に辟易しながらも、一生に一度のことだと思い、家族でそれなりに楽しんでいます。最近、家の話題で夫婦の会話が飛躍的に増えたのも、思わぬ収穫でした。これからも、オプション料で予算を大幅に超過することのないよう、気を引き締めて、打ち合わせを継続していきたいと思っています(そうは言っても、広い風呂は施主として譲れないのですが…)。

 持ち家購入までの経緯はこれにていったん終了します。実際に家を完成させていく過程で、読者の中の持ち家購入志望者向けのアドバイスになると思われることがあれば、また、折を見て記載するように致します。なお、物件選びにあたり、下記の書籍はとても参考になりましたので、紹介しておきます。

                      

 次回からはまた、通常エントリーに戻りたいと思います。

 

| cpainvestor | 23:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
土地探し(2)

 
 地元の不動産屋さんに声をかけ、市内南側・駅から徒歩10分圏内の人気エリアに絞って、中古住宅と土地探しの二正面作戦を本格的に初めて数カ月が経ちました。

 ある5月の晴れた日、「土地が出た時に間取りを作る際の参考になりますから、是非見に来て下さい」と言われ、地元の不動産業者が建てたモデルハウスを見に行きました。その後、たまたま自宅のすぐ近くに街角へーベルハウスという、旭化成ホームズのモデルハウスがオープンしたこと知っていたので、「大手住宅メーカーの家がどんなものだか見てみるのも、比較のために悪くはないだろう」と思い、家族でここを訪問することにしました。

 この街角へーベルハウスは、「住宅展示場の大型豪華物件ではなく、実際の住宅地に標準モデル物件を建てて、リアルなヘーベルハウスを体験してもらおう」というコンセプトで、旭化成ホームズが進めているモデルハウス事業です。私は完全な冷やかしのつもりで行ったのですが、午前中に訪問した地元業者のモデルハウスがかなりしょぼかったためでしょうか、コントラスト効果も手伝って、ヘーベルハウスの機能(耐震性や遮音性)や内装は魅力的に見え、特に妻はいたく気に入ったようでした。
 しかし、大手住宅メーカーの中でもヘーベルハウスの建築単価は高い部類に入ると聞いていたこともあって、「割高すぎ!住宅メーカーのあの広告宣伝費を負担させられるのはたまらん!」と思い、営業マンの説明を聞いていても、購入意欲はまったくわきませんでした。


 ところが、このモデルハウスの2階の窓から、前の駐車場となっている土地を見た際、この土地の条件がかなり良いことに気付きました。

○駅から徒歩8分、市内南側人気エリア、
○長男の同一学区内、1学年5クラスある小学校、中学校まで徒歩5分
 (ピアノ教室に最適な立地か???)
○ほぼ正方形のフラットな敷地
○面積は35〜40坪程度
○西側で静かな2車線市道(小中学校の通学路)に接している
○南側の隣地は、建てたばかりの大きな家があるものの、この駐車場敷地の南前はその家のカーポートとなっており、日当たりは良さそう。(その家の更に南側は駐車場)
○北側はモデルハウスへの進入路と駐車場(その駐車場の更に北側はアパート)
○東側はこのモデルハウスと隣接

 私はヘーベルハウスそのものの説明はほどほどのところで断り、この土地のことに関して逆に営業マンを質問攻めにしました。以下私の主な質問と営業マンの回答です。

 この土地は旭化成ホームズの持ち物か?
 旭化成ホームズの持ち物です。隣地の地主が今回この土地を処分するにあたり、ヘーベルハウスで自宅とアパートを建てた縁で、最初に当社に声をかけてくれました。この元地主は、自分が売却した隣地があまり細かく分筆されることを望んでおらず、できればヘーベルハウスをこの場所にも建ててもらいたいということで、売却に応じてくれました。
 売却予定はあるのか?
 街角へーベルハウス事業自体が、一定期間モデルハウスとして展示した物件を、後に売却する形態をとっていますので、モデルハウスの売却時期が決まれば、当然この隣地もいずれは売却することにはなろうかと思います。既に地元の不動産会社が何社かこの土地を売ってほしいと言ってきてはいますが、まだ、売却時期は未定ですし、そもそも彼らに売却するつもりはありません。
 土地の売却条件はあるのか?
 いずれ、ヘーベルハウスの建築条件付き宅地として売り出すことになると思います。なお、この宅地は売主の元地主との約束で、北側の駐車場横のアパートの日当たりが悪くならないよう、フルで3階建ての家は建築できないことになっています。

 私は、この土地の条件がとても気に入ったので、「もし、売却時期が決まったら、是非声をかけて欲しい。」とこの営業マンにお願いをして、モデルハウスを出ました。

 その後も、時々この営業マンに「モデルハウスを売る計画は立ちましたか?」とメールで尋ねると、「まだいつになるかわかりません。申し訳ありません。」という回答ばかり返ってきておりました。
 ところが、9月上旬になって、急にこの営業マンが自宅を訪ねてきて、「モデルハウスを売却する方針が決まり、ついては隣地も売却することになりました。」と直接連絡しにきてくれました。私が不動産業者以外の個人としては、一番に早く隣地売却について声をかけていたとのことで、最初に連絡してくれたようでした。この1年間、真剣に物件探しを続けてきて、「本当に良い中古物件、土地はなかなか出ない」ということを実感していた私は、この話を真剣に検討してみることにしました。この土地は、ヘーベルハウスの建築条件付きとなるため、土地売買契約と家の建築請負契約の同時締結が条件となるとのことで、建物と土地、一括での金額見積りとなります。
 9月、10月は、私を優先交渉権者とし、他の候補者に声をかけたり、チラシをまいたりしないと、この営業マンが約束してくれたので、 それから私は毎週末、この営業マンと間取り設計の打ち合わせと見積もり額の交渉を同時進行で続けることとなりました。

(つづく)

| cpainvestor | 20:22 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
土地探し(その1)


  これから記載する内容は、これから住宅を持つことに関心を持っている方向けとして記載致します。不動産業界にいらっしゃる方には既知の内容かと思いますので、読み飛ばして下さい。

 
今の私の住まいは東京通勤圏の端(Door to Doorで職場まで70〜80分)にあり、自分の仕事の都合だけを考えると、どう考えても都内に転居した方が良いわけです。(唯一の救いは往復の電車が、座って通勤できるのでたっぷり読書&勉強&睡眠ができることでしょうか。)しかし、家族の事情や子供が育つ環境なども考え合わせると、結局、海と山に囲まれた現在の最寄駅付近で土地探しをするのが最善ということになり、駅から徒歩10分圏内にターゲットを絞り、土地探しを始めました。

 調べ始めてすぐにわかったのは、同じ徒歩10分圏内であっても繁華街がある駅北側と静かな住宅地である駅南側では、坪単価が20〜30%も違うということでした。更に、人気の高い南側でも、駅から海岸に伸びる広い道路を境に、東側の小学校区と西側の小学校区でこれまた10%程度は坪単価が違いました。

 最も人気のエリアは、駅の南西側、徒歩10分圏内の3つの町で、地元で古くから商売をしている不動産屋さんに確認したところ、このエリア限定で物件待ちをしている人が多数いるとのことでした。リーマンショックの前後で市内他地域はかなり大きく坪単価が変動したものの、このエリアに関しては、ほとんど値崩れしていないという話も聞きました。このエリアには古くからの住人も多く、なかなか良い物件が出ない上、東京、横浜などから予算内で一戸建が建てられる場所を求めて移住を希望する人も多いことから、常に「供給<需要」という状況が続いているようです。
 ただ、このエリアに全く空き地がないかというと、そうでもなくて、駐車場となっている土地がポツポツとあります。そういった土地を地図上で示して、「ここは売りに出ないのでしょうか?」と地元の不動産屋さんに聞くと、それこそ「この土地は先代が亡くなった後、兄弟が相続でもめていて決着がついていない。」ですとか、「地主である息子さんは東京で勤務医をしていて、いずれ引退して戻ってくるつもりなので、売る気がない。」といった実に多くの事細かな情報を教えてくれました。

 考えてみれば、地元に根を張る不動産屋さんや住宅建築業者さんにとっては、こういった売却可能性の高いエリアの不動産情報こそが飯の種であるため、しょっちゅう空き地の登記簿を見ては、持主に「坪○○円買い取りますけどいかがですか?駐車場管理を私のところにやらせてもらえませんか?」と電話をかけまくっているらしいのです。こうして足で稼いで情報を常にアップデイトしながら、次の好立地物件が出るのをじっくりと網を張って待っているわけです。(大手不動産会社の支店が定期的に担当替えを行い、「○○町にお住まいの方、物件を売却する際はお声掛け下さい!」というチラシをこのエリアに絨毯爆撃のように撒いているのとは対照的な営業スタイルです。)
 このエリアは地元の不動産会社が常に網を張っている状態ですから、まとまった面積の土地情報が出ると、そこそこ資金力のある地元業者は、媒介などは一切せず、すかさず自己資金で買い付けに行って、「自社建築条件付き土地」として分筆・販売を始めます(土地だけで売ることは少なく、建築条件を設定して、土地、建物建築双方で利益を回収するモデルです。もし土地だけ売って欲しい顧客がいれば、必殺「建築条件外し」で土地の仕入値に20%ぐらい手数料を上乗せして売却に応じるという感じでしょうか。)

 このような業界のカラクリがわかってくると、「なぜこの業界では、中小の事業者が生き残っていけるのか?」ですとか、「ネット上の不動産情報では、なぜなかなか良いものが見つからないのか?」といった疑問が自然と解消されていくことになります。

 不動産は情報が命であり、本当に良い物件は決してネットに出ることはなく、売主のほぼ「言い値」で決まっていく。

 
これが、この業界の真理なのかもしれません。

 これまで記載してきたように、同じ市内で駅から徒歩圏内の場所であっても、エリアによって坪単価に大きな差がある上、更に人気エリアの中でも、土地の方角(日照条件)、形、面積、周辺環境(小学校のレベルや公共施設の充実度、近隣住人の質など)、適度の広さの道路に隣接しているか否か、当該地域の建築規制がどうなっているか等の様々な要素により、土地の値段は全く変わります。この、「一つとして同じ商品はない」というのは、不動産(特に宅地)という商品の最大の特徴なのかもしれません。普段金融商品に投資をしている人間としては、「何て非効率な検索作業をさせられるのだろう!」と思わずにはいられませんでしたが、考えてみれば、このような非効率な市場だからこそ、ビジネスチャンスがあるということなのでしょう。

 「餅は餅屋」ということで、私もこういった情報を懇切丁寧に教えてくれた地元密着型の不動産屋さんのいくつかに何度か訪問し、希望物件情報他、職業、年収・家族構成など様々な個人情報を登録しました。予算規模や頭金の準備額などを聞くと、こちらの「本気モード」が伝わったらしく、その後、いくつかの不動産業者と物件情報の有無に関わらず、時々電話をくれる関係を築くことができました。私の希望エリアの物件探索包囲網は一応完成したわけです。

(つづく)

| cpainvestor | 23:14 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
持ち家購入の経緯


 これまで私は、キャッシュそのものか、キャッシュ・フローを将来的に生み出すものが「資産」と考えてきました。このように定義をすると、自家利用の新築住宅などというものは、間違いなく「資産」には該当しません。ただ、住宅を冷蔵庫やテレビと同様の「耐久消費財」と定義するならば、生活をしていくために必要な消費は「必要経費」として是認されることになります。

 現実問題として、私達が現在借りている転勤留守宅物件の優先賃借期間があと1年半に迫っており、その後は新しい住宅を探さねばなりません。特に幼子を3人抱え、これから20年弱はどうしても広いスペースが必要になります。
 また、私の妻は自宅でピアノ教室を開いています。結婚した当初は、自宅とは別の場所を借りて数十名に教えていましたが、今は子育て最優先、生徒数も絞りに絞って様々な方の協力を仰ぎながら細々と続けています。私としては、妻の自己実現のためにも、ピアノ教室をなんとかして継続させてあげたいと思っていますし、いずれ息子達が成長した際には、再び本格復帰したいと妻は思っているはずです。そのためには、どうしてもピアノが弾ける部屋(できれば防音室)が必要となります。この家族5人の居住スペース+ピアノが弾ける部屋という2条件を満たす設備を、マンションで実現するのはなかなか難しく、どうしても一戸建主体で考える必要があります。
 そうは言っても、現在の転勤留守宅のような「ピアノが弾ける部屋」を有していて、かつ、長期契約可能な質の良い借家(今の家はかなり手狭です。)を見つけるのはなかなか厳しいものがあります。ましてや、長男を転校させなくて済む同一小学校区で、かつ駅からの徒歩圏内(私の「遠距離通勤」を支える絶対条件)ということになると、物件発掘は本当に至難の業です。一時期いろいろ探してみましたが、やはりなかなか良い物件にはめぐり合えませんでした。

 私としては、「借家プラス資産運用」というのが、経済合理性と将来の不確実性(収入増減、勤務地の変化)の双方を考慮した場合、最も良い選択肢だと今でも思っていますが、上記の家族の事情を優先すると、必然的に中古物件、建売物件、新築戸建て物件といった「持ち家」を考えざるを得ないという状況になりました。

 そこでまず、近隣の不動産屋をあたって中古物件を問い合わせ、実際に売却対象となっている物件をいくつか見ましたが、どうにも受け入れられそうなものがありません。「日本の住宅の建物価値は20年でゼロになる」とはよく言ったもので、築20年を過ぎても、耐震設計に問題なく躯体もしっかりしているので、リフォームすればなんとかなるというようなバリュー物件は、そうそうありません。たまに良いなと思う築浅の物件を紹介されても、「駅から徒歩20分(実際歩くと徒歩30分)」といったものばかりでした。
 こういう場合、「マーケットに既に売りに出ている物件ではなく、条件の良い中古物件が出るのをひたすらじっと待ち続ける」というのが投資家目線では一番良い手なのだと思います。実際、私は前の住居に住んでいた時から既に3年近く、じっと近隣の中古物件を見てきましたが、なかなかこれといった良い物件が出てきません。そうこうしている間に家族は増え、子供達はどんどん大きくなってきて、家族みんなで川の字で寝るのは限界がきてしまいました(笑)。

 そこで、昨秋からは次善の策として、建売物件も見るようにしてきましたが、建売物件には、以下のような傾向が見られました。
 家族5人の広さを優先→駅から離れた郊外物件ばかり
 駅からの立地を優先→将来、売却が難しそうなミニ開発物件ばかり
 これもよく考えてみれば当たり前で、建売でよく売れる価格帯というのは、ほぼ決まっています。販売価格帯が決まっている以上、交通至便な地域では土地取得コストが高いので、小さな物件が主流とならざるを得ないのです。駅から徒歩10分圏内の人気の住宅地では、80坪の土地を4つに分筆して3階建てなんてものがたくさんあります。「これは本当に20年後に残存価格ゼロに近いだろうな」と思わざるを得ませんでした。いくら交通至便であっても20坪以下の土地になってしまっては、建築可能な建物が極めて限定されてしまい土地すら売りにくくなります。この結果、建売住宅も取得候補から消えて行きました。
 そして、最後にやむにやまれず考えたのが、土地購入による新築です。できれば避けたい選択肢ではあったのですが、駅から徒歩圏内の人気エリアで、ある程度の広さがある道路付けの良い土地を手に入れられれば、売却する際には、実需がある分、少なくともその時の土地の値段以上での買い手はつくだろうと考えたのです。この場合、建物相当額+地価下落分だけを耐久消費財として考えれば良くなります。売りにくい土地を抱えてしまう狭小建売物件よりは、有利子負債を多く抱えることになったとしても、こちらの方がいく分ましだろうと考えました。つまり立地条件が良い物件の中で以下の優先順位です。

築浅中古物件>土地付き新築物件>新築建売物件

 
ところが、この土地探しがまた曲者でした。

(つづく)

| cpainvestor | 06:44 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
住宅購入


 9月、10月はブログエントリーがだいぶ滞りました。その理由は、本業が忙しかったことに加えて、住宅購入というプライベートでの大きな意思決定に向けて多大な時間と労力を割いていたためでもあります。
 最終的に、2010年10月末の日付で、ついに住宅購入に関する契約にサインをしました。これにより、我が家の家計の自己資本比率は50%を切ることとなり、資産の大半はキャッシュ・フローを生まない土地建物に化けることになります。これから物件完成、資金決済まで半年ほどあるので、時期を見計らってREITや株式の大半を処分していくつもりです。ここから先、しばらくの間は、リスク資産への投資は大幅に絞り込まざるを得ません(でも、長期かつ超低利の固定金利ローン(フラット35S)をやや多めに借りますので、ゼロにはしないと思いますが)。

 昨秋ぐらいから本格的に土地付き一戸建ての中古物件と戸建用土地を両睨みで探しておりました。散々いろいろと調べ、物件を見に行き、シミュレーションもしまくりましたが、結局のところ、現在の住所からほんの1ブロック先の場所に建築条件付の土地を購入し、大手ハウスメーカーで家を建てるという、「投資家目線ではあまりほめられない意思決定」をすることとなりました(笑)。

 妻と息子3人のことを最優先に考えた上で、「Betterな意思決定」となるよう、投資家のハシクレとして最善の努力とタフネゴシエーションを重ねた末の結果なので、後悔しないようにしたいと思います。これから先は、トップライン(売上)を伸ばすことを、もう少し真剣に考えたいと思っています。

 また、時間がある時に、バリュー投資家でもあった私が、「持家購入」に至った経緯・心境の変化について書いてみたいと思っています。次回はまず、私が知った戸建用土地マーケットの状況について整理したいと思います。

| cpainvestor | 01:19 | comments(9) | trackbacks(1) | pookmark |

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