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修了通知


 年明け以降、修士論文の作成と圧倒的な仕事の物量を前に悪戦苦闘しておりましたが、ようやくトンネルの出口から明かりが見えてきました。今週、大学院の修了通知をもらい、無事卒業が決まりました。入学者の2年間での卒業率は8割弱といったところでしょうか。なかなか過酷なコースでございました。

 2年間、社会人大学院に通ってみて感じたことをいくつか記載しておきたいと思います。

 2年間で最も変わったのは、新たな知識を得たことでも、多くの友人を得たことでもなく、「厳しい時間的な制約条件下でいかにして仕事のパフォーマンスを出すかを徹底的に考えるようになった」ことでしょうか。入学前と同じやり方で同じ仕事をしていたら、おそらく卒業はできなかったでしょうし、仕事の方もつぶれていたでしょう。
 学校に通うので仕事はできませんというのは、所属する組織、ましてやお客さんに対しては、何ら言い訳にはなりません。入学を機に仕事の専門領域やアプローチ方法を再考し、他人ができるものは徹底的に任せ、自分にしかできないものでバリューを出す、これを徹底できるようになったことが最大の収穫だったように思います。
 結果論ではありますが、2年前と今では、同じ組織にいながら、仕事の内容や顧客層はがらりと変わりました。また、他部署や上司から振られる仕事は激減しました。

 一方で、「働きながら学ぶ」ためには、周りのサポートが得られるかどうかというのも極めて重要な要素だと思います。とりわけ、家族持ちである程度の年齢になると、家族に多大な負担をかけることになりますし、組織の上司や同僚、後輩にも何かと協力をお願いすることになります。これからしばらくはそういったお世話になった方々に恩返しをしていかなくてはならないと思っています。
 もし、このブログの読者で社会人大学院入学を考えていらっしゃる方がいたら、入学時期はよくよく考えた方が良いと思います。仕事の裁量権がある程度増えて、家族のサポートも得られる時期を見極めないと、八方ふさがりとなって不幸を招くことになりかねません。

 
 肝心のカリキュラムですが、良い面、悪い面、感じ方は個々人の年齢やこれまでの経験等に依存する部分も大きいので、本当に人それぞれだと思います。私個人的には「内容的にまったく役に立たないわけではないが、過大な期待は禁物」といったところでしょうか。(私が通った学校のカリキュラム詳細に関する所感等についてお聞きになりたい方は、個別にお問い合わせください。)今の仕事の延長線上で知識の枯渇感やキャリアの閉塞感を持っているような方は、行って損はないと断言できますが、今の仕事がものすごく充実している方が、それを中断してまで行く場所かと言われれば、そうでもないような気がします。

 ただ一つ言えるのは、専業学生とは異なり、極めて意識の高く、刺激し合える職業人が相当数集まってくることだけは確かです。卒業を目前にして、既に転職を決めた方、起業した方、それから学校で伴侶を見つけた方もいます。利害関係の全くないこういう仲間とは、今後も一生つきあっていくのではないかと思います。

 この2年間、あまりに自分の希望を優先しすぎました。これからしばらくは、支えてくれた家族との関係修復に時間を充てたいと思います。

| cpainvestor | 01:28 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
不況期こそ自己投資


 だいぶご無沙汰してしまいました。
 10月以降、仕事と大学院の両立で毎日ギリギリの生活が続き、ブログどころか新聞すら読めない日が続いておりました。一昨日、大学院の年内最後の課題を提出し、昨日は子供達を鉄道博物館に連れていって精いっぱい今年の罪滅ぼしをし、仕事、大学院、家族とようやく一息つくことができる状況になりました。
 社会人になって14年、職場でもすっかり「中堅」となってしまい、この年になって「学生証」を持つのはかなり抵抗もありました。ただ読者の皆さんの参考にもなるかもしれないと思い、社会人大学院に行ってみて良かったことをいくつか列挙します。

○時間と仕事の質に対する意識の大幅な変化
 週末、通勤時間、出張時の移動時間などほぼ全てが課題の作成や論文の読み込みなどに追われ、一分一秒が貴重というような状況が続くと、仕事の方も単純に「生産性を高める」だけではまったく追いつかなくなり、「どれを残して、どれを切るか」という選択を迫られることになります。その結果、この秋からは売上貢献の面で大幅に仕事の評価が下がるのを覚悟で、エンドレスでの時間対応が必要な大がかりなプロジェクトものは全て断って他の同僚に任せ、個人でのスケジュール調整で対応が可能な新規事業開発・セミナー講師・リピート顧客の経営顧問等の業務に特化しました(つまり他人への代替が不可で、属人的要素の強い業務のみに集中しました)。
 その結果、一部の既存のお客様に不義理となってしまったことは本当に申し訳ないところですが、同時にこれまでまったく接点のなかったお客様と全く新しい仕事、サービスを展開する機会をいくつか得ることができました。来年以降、大学院の期末試験が終わった頃には、全力でこちらに注力できそうな土台ができつつあるのは、まさに「ヒョウタンからコマ」で思わぬ収穫でした。

○新たな仲間との出会いと視野の拡大
 10月以降だけでも、あまりの忙しさに本当に逃亡したくなってしまうような気持ちに2回ほど陥りました。そんな極限状況の中でなんとかここまで来れたのは、家族・親族の理解や協力がもちろん一番大きいですが、次に来るのはなんといっても同じ境遇にある仲間の存在でした。文系出身の私はクラスの中で劣等生になることも多いのですが、会計やM&Aの実務面でクラス貢献をすることで、理工系の皆さんから「私の知らない世界」の知識について、多くのことを教えていただきました。「独力ではまったく手が出ない宿題」が頻繁に出るのには本当に辟易しましたが、彼らがいなかったらそもそもここまで来れていません。この年になって、「何の利害損得関係もない他業界の友人」を何人も得られたのは大きな収穫であり、刺激となりました。
 また、プログラムの中で実務界で活躍する様々なゲストスピーカーから聞ける話からも多大な刺激を受けています。多くの方が「リスクはとってマネージすべきもので、リスクそのものをとらないことは大きなリスクだ」といった趣旨の話をするので、だいぶ洗脳されております。極端な方は「社歴の古い大企業で働いている方は上の世代に貢ぐだけで人生が終わりますよ!あなたは日本国債と年金の穴埋めのためにこれからの人生を捧げるつもりですか?」と煽ったりしていました。もちろん実業界で成功されている方が話すので「生き残りのバイアス」が存分にかかっているところは割り引かないといけませんが、毎回自分も「行動しなければ」という気にさせられます。

○実務でやってきたことの理論的裏付の底上げ
 M&Aの実務などを5年近くこなしてきたことで、会計やコーポレートファイナンスの分野に関してはそれなりにわかっているつもりでした。ところがこの学校で学んだことでファイナンス系の私の知識はかなり怪しいものであったことが判明しました。例えば、企業価値評価実務でよく使うCAPM一つとっても、実証分析研究では、その株価説明力がかなり低いことが様々な論文で示されており、多くのマルチファクターのモデルが提案されていることなども、恥ずかしながら初めて知りました。こういった背景を知っていて顧客に説明するのとそうでないのとでは今後実務をやっていく上でも大きな違いが出てきそうな気がします。
 それから、統計関連の講義を3コマもとって、みっちりやらされていることでようやく「データ分析の何たるか」が見えてきたことも大きいです。修士論文では定量分析が必須なので、ここからもう一段スキルの底上げが必要ではありますが、これは実務でも必ず役に立ちそうな内容ではあります。

 全般的に想定していたよりもカリキュラムがアカデミック過ぎるのと、学生の出身業界がメガバンク系に偏っているのは、実務家の私からするとやや不満な点ではあります。そこで来年は、「学んだことをどうキャッシュ・フローに転換するか」、「いかに人脈を広げるか」に個人的にはもっとこだわって修士論文にも取り組みたいと思っています。

 不況期には、業務量も給料も減り、多くの中堅社会人にとって現場を離れる「機会コスト」は低減しているのではないでしょうか。家族の理解が大前提ではありますが、特に現場実務にある程度精通し、会社に我がままを言えるくらいの「のれん」を積んだ30代の方こそ、夜間大学院を考えてみるというのもキャリア開発の選択肢としてありだと思います。もちろん「費用対効果」にこだわると、やはり一定レベル以上、できれば国公立が無難かとは思います。ただ、学部入試と違って、社会人大学院は「職歴がきちんとあって、目的が明確な方」にとっては、入るのは易しいですから、一念発起して「修行」するのも悪くないかもしれません。

| cpainvestor | 01:42 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
知的体育会系


 春になり、今年の一大決断である社会人大学院の授業がスタートしました。東日本大震災の直後、生活すらままならない方々も多数いらっしゃる中で、私は家族や同僚のサポートに恵まれ、約13年ぶりに「教育機関での学びの機会」を得られたことに、まずは心から感謝して取組みたいと思っています。

 この大学院、「知的体育会系」を標榜するだけあって、まだほんの触りの部分をかじっただけですが、死ぬ気で勉強しないとついていけないような気がしています。同級生40数名のうち6〜7割が金融ファイナンス系の専攻で、彼・彼女らの研究計画のプレゼンテーションを聞いていると、浅学の私には「???」という内容も多く、「場違いなところに来てしまった…」という感覚は未だぬぐえません(汗)。
 ネットでこの大学院の口コミ情報を検索した時に、「サイヤ人をスーパーサイヤ人にする学校だ(ドラゴンボールの分かる方対象)」という書き込みがありました。バリバリ理工系で、海外駐在なども経験し、金融商品の開発や運用を経験してきた同級生の職歴などを見ると、確かにそのとおりだという気もします。私はクリリン(ドラゴンボールの分かる方対象)のレベルにすら、遠く及ばない気がしていますが、入学してしまった以上、あらゆる手を尽くして卒業したいと思います。
 凡人がサイヤ人に正面から戦いを挑んでも結果は見えています。文系は文系なりに、統計数理系の科目は最低限の及第点を目指しつつ、皆がやらないエッジのきいた研究計画に集中することでキャラ立ちするというランチェスター弱者戦略で、なんとかしのぎたいと思っております。(幸い、私と研究計画やキャリアバックグラウンドが完全にかぶっているような方はいませんでした。)

 先週の土曜日は、この大学院の同級生とのTeam Buildingのイベントがありました。単純なゲームやアクティビティをチームの共同作業で行うだけですが、プログラムがよく工夫されていたおかげで、多くの同級生と会話する機会を得、大半の方の名前を覚えることができました。
 多くの大企業でも、社内部門間のコミュニケーションを良くするための合宿研修などをやっていると思いますが、結局、夜の懇親会頼みというプログラムも多いかと思います。それと比べると、この大学院のプログラムには、一つ一つ意味と学びがあり、しかもノミュニケーションに頼らずにメンバー間のコミュニケーションを一気に促進できるという意味で、有意義な体験でした。今後、私が少人数の公募型セミナーなどをやる場合には、早速、今回のプログラムのエッセンスをいくつかとりいれたいと思いました。(良いものはすぐにパクって、ビジネスにつなげようと考えてしまうのは、会計士の性でしょうか。)
 このイベントの中でいくつかのゲームを体験して印象に残ったのは、一つの集団が、.押璽爐了伝箸箴,船僖拭璽鵑鮓出す地頭のものすごく良い少人数グループ、彼らが見つけ出した法則をわかりやすく単純化して、その他大勢のメンバーに説明するグループ、C噂祺修気譴針‖Г鬚ちんと順守して黙々と作業をするその他大勢のグループの3つに分かれることが多かったことでしょうか。
 当然、私は△の役回りが多いわけですが、特に△量魏鵑蠅何回か果たせた時には、「世の中には文系がいてもいいのだな。」と思えるようになり、多少は慰められました。

 本業も決して手を抜けない環境の中、せっかく都心の一等地にある大学院に通っているので、選択コースの中でのゲスト経営者の講演など、読者の皆さんと今後シェアできそうなナレッジがあれば、こちらのサイトで折を見て紹介していきたいと思います。
 更新頻度はしばらく少なくなるかもしれませんが、また忘れた頃に見に来てやって下さい。

| cpainvestor | 23:38 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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